洗面所や流しなど吐き出す場所がない場合は、洗口液の容器にティッシュペーパーを入れて吐き出し、しみこませてください。なお、容器などは各自治体のゴミ分別ルールに従って捨ててください。
口腔内の菌種バランスの乱れが歯周病の発症と進行に影響する
結核なら結核菌、インフルエンザならインフルエンザウイルスと、特定の菌やウイルスが原因になる感染症はよく知られていますが、歯周病は特定の細菌ではなく、さまざまな細菌による複合感染症と考えられています。
口の中にはさまざまな細菌が存在していますが、通常は菌種のバランスは良好に保たれて、この状態を「シンバイオシス」といいます。これに対して、構成する菌種のバランスが悪化した状態が「ディスバイオシス」です。
歯周病の発症と進行は、歯と歯肉の隙間にできる歯周ポケットの中でプラークが形成され、酸素の少ない環境下で病原性の高い歯周病菌が増殖し続けた結果、菌種のバランスがシンバイオシスからディスバイオシスに変化することで起こるのではないかと考えられています。
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引用:サンスター
Mouth & Body Topics Vol.5
そのため、ブラッシングなどで歯周ポケットに蓋をしているプラークを取り除き、歯周ポケットの中に酸素を入れて環境を変えるだけでも、歯周病の発症と進行を抑えることにつながると考えられると言うことを頭の片隅に置いておきましょう。
歯の健康を守るためになにが必要なのか?
歯は一度失ってしまうと二度と再生しません。
歯を失う一番の原因は歯周病です。
予防歯科では、歯周病リスクを回避することが重要視されています。
このオルコアシステムは歯周病リスク判定に着目し、チェアサイドにて口腔内細菌の数値化を実現しました。
当院では、この様な確立されたシステムを導入する事で患者様の「健口」に貢献したいと考えております。
口腔内細菌検出装置orcoa(オルコア)は、PCR(polymerase chain reaction)を原理とした検査装置です。
抗原検査などの方法と比べると、微量な細菌でも検出できるのが特長で、PCR検査に必要な温度変化や光測定機能がコンパクトなボディに内蔵されており、必要な試薬が充填された検出キットだけで検査できるため、院内で検査を完結することができるのです。
通常検査(外部委託検査)
オルコア検査(院内検査)
結果の数値に応じてランプの色が変わります。
特に病原性の高い歯周病菌 Red complex
歯周病を重症化させやすいと言われている3菌種のことを言います。
オルコアでは、主にこの3菌種を検出することができるのです。
この他にも、これまで、いかにRed complexに対処するかという視点で歯周病予防が語られてきましたが、
Red complexの増殖を手助けする、Fusobacterium nucleatum(F.n.菌)の存在が注目されています。
Red complex の代表的な歯周病菌であるP.g.菌には酸素を嫌う性質があり、成熟したデンタルプラークの中で多く検出されることが知られています。
そしてP.g.菌の生育しやすい環境づくりに影響を及ぼす細菌としてF.n.菌が注目を集めています。
F.n.菌は口腔内にいる700種類以上の細菌の一つで、古くから普遍的に存在が確認される常在菌で、いわゆるOrange complex に属しています。
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引用:サンスター
F.n.菌はP.g.菌がデンタルプラーク内で増殖する足場として機能し、酸素のある環境でもP.g.菌の生存を可能にします。
また他にもP.g.菌の栄養源を供給するなど、P.g.菌の生育環境の形成に深く関わっています。
言わば、F.n.菌はP.g.菌が増殖する骨組みであり、進行した病変部のデンタルプラーク中からはP.g.菌とともにF.n.菌が高頻度で検出されています。
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引用:サンスター
スウェデンティス
「スウェデンティス」で常在菌のバランスコントロール
当院では、歯科領域における歯周病菌抑制のためにサプリメント「スウェデンティス」を補助的に用いて治療効果を高めています。この「スウェデンティス」には、スウェーデンで研究されたヒト母乳由来の乳酸菌L-ロイテリ菌が1包あたり2億個以上も含まれていると言われています。人間の体内に存在し生命維持に欠かせない常在菌は、その種類や数のバランスが大切と言われていて、この乳酸菌の作用は体内の善玉菌に働きかけ、口腔内においては歯周病菌の増殖を体内から抑制するということでおすすめしているサプリメントです。
1日の目安は1包!「水なしで摂取してください」
そのままお口に含み、舌でゆっくり溶かしながら飲み込んで下さい。まずは歯磨きの後に、1日の目安量(1パック)を服用していただきたいです。飲み忘れのないように、夜の歯磨きの後や就寝直前など決まったタイミングでいただく方法もあります。まずは、ご自身にあった習慣で60日間(2ヶ月)お試しください。
すべての生命体は、もともと菌から生まれ、菌と共に進化しました。今も菌たちは、すべての生物の体内や表皮に共生し、その生命維持を担っています。常在菌の「菌質」が良いと人は健康になり、悪いと不健康になります。口は全身の入り口。口の中の「菌質」は、全身の菌質を大きく左右します。歯科からはじまる、全身の健康。それはすなわち、歯周病との戦いのはじまりなのです。そして歯周病は、歯周病菌が引き起こす「菌感染症」です。つまりカギを握るのは、口内菌をいかにコントロールするかだと言われています。
シーラントとは、奥歯の溝を薄いプラスチックで塞ぐ虫歯予防法です。
奥歯の溝は複雑な形をしているので歯ブラシの毛先が入らずそのために毎日歯磨きをしていても虫歯になってしまうことがありますが、シーラントで奥歯の溝を塞ぐことにより、奥歯の溝の虫歯を防ぐことが可能です。
虫歯になりやすい奥歯の溝をシーラント(接着力のあるプラスチック)で埋めます。咬み合う歯の面の凸凹に汚れが溜まりにくくなり、虫歯を予防することができます。
生えて間もない6歳臼歯はとくに溝が深く虫歯になりやすいので、大切な永久歯を守るためにもシーラントで埋めてしっかり予防しましょう。
フッ素とは歯の質を強くする自然元素のひとつです。
実はとても身近なもので、緑茶(浸出液)・紅茶・ビール・ミソ・リンゴ・ダイコン・イワシ・牛肉などに微妙に含まれており、飲食物以外にも骨や歯などにも含まれています。フッ素には、歯のエナメル質を強くして、虫歯菌の出す酸に負けない歯を作る働きがあります。
実際、フッ素を作用させた歯とフッ素を使用していない歯とでは、数十倍も違うとされています。
歯質を強化する効力が高いことから、スウェーデンやアメリカなどの国でも、虫歯予防に利用されています。
フッ素が配合されているかどうかは、まず、商品の裏側にある成分表を見ましょう。
成分表の最後のほうにある薬用成分の欄に、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズやモノフルオロリン酸ナトリウムと表示してあるものを選ぶといいでしょう。
フッ素塗布は健康保険適用外と、条件によっては健康保険適用されます。
開始時期は、1歳半(上下の歯が4本ずつ生えてきたところ)からと、根面う蝕ができやすくなる65歳以上が対象と考えてください。
フッ素には歯を強くし虫歯菌の活動を抑える働きがあり、虫歯予防に高い効果を発揮します。生えて間もない歯ほど、その予防効果は高いと考えられています。
球状の綿にフッ素塗布液を含ませ、歯に軽く押し当てて塗る方法です。
トレーの中に液をしみこませた濾紙などを入れ、口にくわえさせて塗布します。
当院は、虫歯予防や知覚過敏症に高い効果があるといわれるフッ素イオン導入装置「パイオキュア―」を取り入れています。
パイオキュアーの使用によりフッ素をイオン化させ、歯牙には通常取り込まれにくいフッ素を、塗布するよりも効果的に歯に浸透させることが出来ます。
フッ素は単体では不安定な元素のため、常に他の元素と結合しています。
パイオキュアーによってフッ化ナトリウムを電気的に分解することで、フッ素をイオン化させます。(F-)
パイオキュアーは、人体(歯)を一時的にプラス極性にさせ、マイナス電荷を帯びているフッ素イオンを人体(歯)に取り込みやすくします。
フッ素を歯質に取り込ませると、耐酸性のあるフッ化リン酸カルシウム(フルオロアパタイト)を作ります。 フルオロアパタイトは、虫歯菌が出す酸に対して溶かされにくい性質を持っているため、歯のエナメル質が強くなり、虫歯になりにくくなるのです。
フッ素には細菌の繁殖を抑える働きがあり、さまざまな根管治療に応用できます。
根管治療時にパイオキュアーを使用することで、イオン化されたフッ素が根管の細部まで行き渡り、通常の薬液では届きにくい箇所の消毒が行えます。
また、炎症をおこした組織に対しては、収斂(消炎)作用があります。
抜髄後の処置や感染根管治療、難治性根管治療などに効果的です。
まず含嗽剤とは病院で処方され、感染予防、炎症を抑えるなどの目的で期間限定的に使用するものをいいます。そして洗口液は、市販されていてセルフケアとして毎日使用できるものをいいます。
簡単な虫歯の予防方法のひとつとして、当院では口腔内セルフケアにフッ化物洗口液を推奨しております。
歯みがきをした後にフッ化ナトリウム溶液を用いて、ブクブクうがいを行います。
1週間に1度だけ行う週1日法をお薦めしておりますが、1週間の内、平日の5日間行う週5日法もございます。
フッ化物洗口は生えて間もない歯ほど効果を発揮するため、うがいができるようになる3~4歳頃から永久歯が生え揃う中学校卒業までフッ化物洗口を続けると高いむし歯予防効果が期待できます。子供のころに行ったフッ化物洗口の効果は成人後も効果が持続します。そして大人になってからフッ化物洗口を行った場合もむし歯予防に効果があります。
フッ化物洗口法の効果として
① 再石灰化の促進
② エナメル質の結晶性が向上し、フルオロアパタイトの形成による歯質向上
③ プラーク中の微生物の酸産生を抑制
があげられています。
(1) 洗口前には歯を磨くか、水でお口をゆすいでください。
(2) 容器のフタを開けます。
※洗口液がこぼれないように注意しながら、フタを開けてください。
(3) 洗口液をお口に含みます。
※飲まないでください。
(4) 下を向いてぶくぶくうがいをしてください。(約30秒間)
(5) 洗口後、お口に含んだ液を十分吐き出してください。
洗面所や流しなど吐き出す場所がない場合は、洗口液の容器にティッシュペーパーを入れて吐き出し、しみこませてください。なお、容器などは各自治体のゴミ分別ルールに従って捨ててください。